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目視録通信

Vol.209 杉並で擁壁と住宅崩壊 全国老朽化擁壁100万箇所以上

9月30日の午後7時過ぎ、杉並区の住宅街で高さ約5メートルの擁壁が崩壊し、擁壁の上に建っていた木造2階建ての住宅も崩れ落ちる事故が発生した。崩壊した瓦礫は路地を挟んだマンションに雪崩れ込む形となった。崩れた擁壁は1968年に作られた鉄筋コンクリート造の古いもので、杉並区は1984年には亀裂を指摘して安全対策を講じるよう指導を続けてきたにも拘わらず、40年以上放置された結果崩壊に至ってしまった。擁壁には大きな縦クラックが入り、水抜き穴が不充分な状態で、9月に降った雨による壁内水圧が崩壊を起こしたと推察できる。今回は路地に歩行者がいなかったが、逗子市で2020年に発生したマンション斜面崩落時は歩道を歩いていた女子高生が亡くなっている。このように老朽化した擁壁は全国で100~300万箇所あると言われており、首都圏では横浜などに多く存在している。
国土交通省では『宅地擁壁の健全度判定・予防保全対策マニュアル』を作成して擁壁の自己評価を促している。https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_tobou_tk_000069.html
横浜市では『崖地防災対策工事助成金制度』や『崖地減災対策工事助成金制度』が用意され擁壁宅地には住宅が建っていて擁壁工事の費用も高額になることもあるかと思いますが、崩壊してしまっては元も子も無いので早めに対策を講じることが重要ではないかと思う。